iOSエンジニアに求められるポートフォリオについて

ポートフォリオとは

ポートフォリオ（Portfolio）は、転職活動において「自分自身をプレゼンするための資料」であると言われています。
自分のスキルや過去の実績を証明するための大事な自己PRの材料になるのがポートフォリオの存在です。企業側にこれまでの成果物を見て自分自身を評価してもらうためのものであるため、ポートフォリオの出来が採用の可否に直結する可能性が高いことを表しているとも言えるでしょう。
ポートフォリオをそのままの意味で訳すと、平らなケースや書類入れといったものを指しますが、ファイルやバインダーのような書類を挟む道具とはまた少し意味が違ってきます。
ポートフォリオ自体に綴るという意味が含まれていないため、書類の入れ替えが自由にできるというニュアンスも持っているもの、それがポートフォリオです。
業界によっても捉え方が違ってくるポートフォリオですが、クリエイティブ職にとっての意味は、自分を最大限にアピールする書類のようなものを指します。転職活動をする際には、履歴書や職務経歴書以上に大事な資料であるとも言えるものです。ポートフォリオという言葉自体は英語ですが、もともとはイタリア語の「ポルタフォリオ（Portafoglio）」が語源とされています。また、デザイナー職が仕事を探す際に自分の作品を提出するためにまとめたものをポートフォリオと呼んでいたことが始まりだとも言われています。
デザイナー職だけでなく、近年ではエンジニアの転職活動の場においても、企業側からポートフォリオの提出を求められることもあるようです。エンジニア職ではいったいどのような理由からポートフォリオが求められているのでしょうか。

ポートフォリオが求められる理由

エンジニアの転職でポートフォリオが求められるのは、求職者にどのくらいの実績やスキルがあるのかを知りたいからです。また、自走力があるかどうか、将来の伸びしろなどもポートフォリオから読み取ります。エンジニア未経験者であってもポートフォリオの提出を求められる場合がありますが、実績があるわけでもないので作成するのは難しいものです。しかし、たとえ働いた実績がなくても求められる理由としては、やはり求職者のスキルと今後の伸びしろを確認したいということが挙げられるでしょう。
未経験者がポートフォリオを準備するにあたってやっておくべきことは、オリジナルアプリの作成です。基本的なものを作成するのが無難ですが、できそうであればクローンアプリを組み合わせながら自分だけのオリジナルアプリを開発すると自己PRにつながるでしょう。
ポートフォリオでは、オリジナルアプリの作成を通して、今自分が扱えるスキルやツール、勉強していること、どんな点に苦労したのか、今後やってみたいことについてなどを伝えます。とはいえ、現状のスキル以上のものを作り出そうとするのは辞めたほうが無難です。高いレベルのポートフォリオを作成できるのは経験豊富なフリーランスが多いため、そのレベルを目指すには膨大な時間が必要になります。あくまでも目的は転職成功であって、高評価を得るためのポートフォリオ作りではないということを認識しておきましょう。

ポートフォリオ作成に必要なこと

まず言えるのは、ポートフォリオで自分の存在価値を証明することが重要です。採用したいと思ってもらえるような内容のものを作成しましょう。
ポートフォリオに必要なものは、自己紹介文、スキル情報、PR内容、制作物、実績情報、問い合わせフォームなどです。
これまでの経歴は履歴書や職務経歴書で伝えることができますが、持ち前のスキルを知ってもらうにはポートフォリオを見てもらうのが効果的です。エンジニア職が未経験であったとしても、仕事で活かしたことのないスキルを持っている場合には採用に有利になる可能性があります。自作のサービスやツール、アプリなどをゼロから作成する能力があるということをポートフォリオで証明しましょう。さらに、スキルを伝えるためにWEBページにまとめておくといった工夫も大切です。とはいえ、まとめるにあたってサンプルコードなどを利用するのはおすすめしません。コピーして作成したような簡易なものは避け、オリジナル感が伝わるようなポートフォリオに仕上げるのがポイントです。
エンジニア経験者の場合は、これまでの実績をポートフォリオにまとめます。その際のポイントは、どんなプロジェクトに参加したのか、またこれまでに作成したアプリなどをどのくらいのユーザーが使っているのかといった内容に注目することです。また、需要がある作品なのか、コードは整えられているか、ユーザー目線かどうか、どんな意図で作成したのかといったことも企業側は見ています。これらのポイントも押さえつつ、自分自身の作品をしっかりとプレゼンできるようにしておく準備も必要です。